2040年自治体の半数が消滅の危機に

2040年自治体の半数が消滅の危機に

自治体の半数が消滅の危機 同窓会で町おこし

ここにショッキングな文献を見つけたのでご紹介します。
講談社現代新書 著者:河合雅司氏 「未来の年表」(人口減少日本でこれから起きること)から抜粋

2040年自治体の半数が消滅の危機に

青森市・秋田市などの県庁所在地ですら、消える可能性がある
「秋田ショック」
2017年4月1日時点で、秋田県の人口が100万人を割り込んだ。 2040年までに、全国の自治体の半数が将来的な「消滅」の危機にさらされる
民間有識者でつくる「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会が2014年に公表した将来推計の結果に日本中が大騒ぎしたことが記憶に新しい。
県庁所在地である青森市や秋田市まで「消滅」の対象にされていたため
地方自治体関係者に与えたショックは相当なものであった。
焦って対策に乗り出す自治体も多かった一方、推計値を見ただけであきらめムードに包まれた自治体も少なくなかったが「秋田ショック」によって、
いよいよその現実味が増してきたといったころだろう。
戦後一貫して少子化傾向にありながら人口がむしろ増え続けていたのは“平均寿命の伸びが少子化を覆い隠してきたためだ。”
だが、いよいよ高齢者数が大きく減り始め、地方によってはこうした“マジック”が通用しない時代に入ってきた。
高齢者数が大きく減った地域では、高齢者の消費を当てにしていた地域経済が成り立たなくなり、仕事をなくした若者が仕事を求めて都会に流出し、人口減少スピードが加速する悪循環になる。
とりわけ「次の時代」を産出する20~39歳の女性の都会流出は、人口が減り始めた地方にとっては痛手だ。日本創成会議が言う「地方消滅」とは、彼女たちが現在の半数以下になった自治体は、
残った女性の合計特殊出生率が改善しても人口が減り続け、 「消滅」する運命にあるということだ。分科会の推計では、 「消滅」の可能性がある自治体は896にも上る。
2040年時点で人口が1万人を切る523 自治体は、その可能性が大きい。
日本創成会議が発表した「地方消滅」のインパクトがあまりに大きかったが故に、人口減少で消え行くのは地方のと自治体であり、東京圏などの大都市は関係ないといったイメージが
“常識”として独り歩きしている。
ところが、全国をもう少し詳しく見ていくと決してそうでないことがわかる。

都市部に人口集中、地方の過疎化というウソ

社人研が2010年の国勢調査に基づいて予測した「日本の地域別将来推計人口」 (2013年)も、 2040年の日本の厳しい未来図を改めて描き出している。
2020年から2025年にかけて、東京を含むすべての都道府県で人口が減り、 2040年には40%以上減る自治体が全体の22.9%に及ぶというのだ。
とはいえ、全国一律に人口が減っていくわけではない。東京圏は人口集中が続き、南関東が占める人口割合は27.8%から30.1%へと増大する。
一方、最も落ち込みが激しいのは、先に100万人割れになったと紹介した秋田県の35.6%減だ。次いで青森県が32.1%、高知県が29.8%減る。市町村別にみると、変化はさらに顕著だ。
群馬県南牧村に至ってはなんと71.0%の減少である。現在の30%以下にまで住民が減少したのでは、実際の運営に支障が出るどころか、まさに「消滅」してもおかしくない。
こうした数字を見る限り、 「大都市部への人口集中と地方の過疎化が加速する」との印象を受ける。しかし、ここには大きな“常識のウソ”が潜んでいる。
社人研は、大都市部の自治体における「過疎」も予測しているのだ。
東京を例に挙げよう。青梅市(25.3%減)や福生市(24.2%減)といった都心への交通アクセスが不便な自治体の人口が激減するだけでなく、区部である足立区(21.3%減)、葛飾区(19.2%減)、
杉並区(15.5%減)も下落率ランキングの上位に顔を並べている。逆に、区部で大きく増えるところもある。中央区(14.4%増)や江東区(8.5%増)だ。
こうした現象は、地方の大都市の間でも見られる。同じ福岡県の政令指定都市であっても北九州市が19.7%も減るのに、福岡市は点7%減にとどまる。
年齢別の増減まで比較すると、高齢者が大きく増える自治体、勤労世代が激減する自治体など事情はそれぞれ異なる。
こうした事情を考慮せず、 「大都市部と地方」という単純な発想で人口減少対策を考えたのでは効果は上がらない。

地方創生会議「ストップ少子化・地方元気戦略」(pdf)

「過疎関係市町村都道府県別分布図」(pdf)